2009/10/13
2ヶ月間のオセアニア、アジア周遊、
3年半のシンガポール生活を経て、地元に帰国した三十路夫婦の宿オープンまでの道のりを
自己紹介もかねてお伝えします。
日本に戻り、さーこれからまた一から就職活動?、、。もとの職場?違う国?!、、、。
日々が過ぎていく中、息抜きで行った日光。
「駅前にお店増えた!神橋きれいになった!」 なんて次々発見があり、
「外国人増えた!?」
今まで気にならなかったものに目が行くようになり、気持ちも変化していました。
外国人が地図を持ってうろうろしてる、、。あなた何処行きたいの?
おせっかい虫が騒ぎだす。
シンガポールでもやはり同じような光景があります。
私たち観光客が地図をながめていると、
「何処行きたいんですか?」大体地元の人の声がかかります。
余談ですが、もし、目が不自由な人がバス待ってるとすると、
その人が乗りたいバスが来るまでついていてくれる事もあったりと、、。
シンガポールは多民族国家。
違う人種同士、みな助け合ってうまくいってるお国柄、
外国人には親切です。(ときには怒鳴りあう光景もしばしば、、中華系オバサンは声がでかい)
あてもなく車を止め、はじめての道を歩いていくと、憾満ヶ淵へたどり着きました。
昔ながらの戸建のアパートがあり
「あらっバリのヴィラですか^^これ改装してホテルにいいんじゃない?」
なんて冗談半分で歩いていると、なんともきれいな川へ。
世界遺産にも登録されて10年、、、外国人結構来てる、、。
安宿がない、、、。
宿やりますか!?栃木県を代表して世界の旅行者の安住の地を目指して^^
私達夫婦、立ち上がりました。
2009/11/30
ゲストハウスをやるぞ!、、と言っても、
身近に宿経営してる人がいるわけでもなく、
若干、タイやインドネシアなど安い宿に泊まり歩いて旅行をしたことがあるってだけですが、、^^;
その経験とシンガポールでの貴重な出会いが、気持ちを動かしているといえるくらい
雲をつかむような未知の世界‥。
不安を消すため、まずは物件さがしへ。
日光の街の中、しらみつぶしってこの事か、、っというくらい歩くこと約1ヶ月。
いいなっと思う物件を見つけては、飛び込み営業のように訪問して‥断られ。
まず空いてる物件がないのです。日光あきらめ、、隣市の今市も、、歩きましたよ、、。
そんな時、暗い気持ちを明るくさせてくれたのが、
日光珈琲、cocoloya,アナログブックスの皆さんでした。
2009/12/08
不動産やさんに行って探してみても、、、。
なかば諦めモードで街をさまよい歩いていること数日、、。
貸し物件の看板、ついに見つけました!
なんと旅行者にうれしい駅前物件!
これで大きなリュックを背負いつつ地図を広げて探す必要なし!
早速書いてある番号に電話を。
すると‥
「先約がいますので、その方次第で次にお話できます。」
ハァ~。先はまだ遠い。
2009/12/15
物件、、、なかなか見つからず、、。
駅前の物件でできなければ、物件が見つかるまで諦めるか、、。
となかば諦めモードのそんな時、、不動産やさんから電話。
「前の方、契約しないそうです!」
OH-
ついにゲストハウス計画、始動です。
といっても先立つ物があるわけでもなく、業者さんに素敵な改装をお願いなんてできません。
主人「内装工事は俺がやる!!」
「え”-」あなた大工経験ありましたか。
2009/12/21
いざ物件を借りると言っても、ショップなら人の出入りは昼間だけですが、
宿となると、一晩中室内で動きがあるわけで、、体格のいい外国人が階段を上り下りして、、大丈夫??
ここは建築に詳しい人にみて頂きたい!
そこで大工さんをしている友人のお兄さんに、早速電話。
しかし一緒に見に行く日程がとれないのとのことで、、親戚の方を紹介してくださいました。
申し訳ないことに、普段は大きなビルや公共の建物など扱う建築会社の重鎮!^^;
日光の4部屋の図面を渡すのも申し訳ない、、。
時間を頂き一緒に日光へ。
伺っていると新潟の中越地震の際に、県から要請があって、
半倒壊した建物の再建築が出来るか出来ないか判断しに行かれたとのお話が。
なんてありがたい!倒壊はしてないものの^^;、昭和の建物。構造の古さは否めません。
日光到着。
柱や壁をたたいたり、床を軽くジャンプしたりと隅々まで見てくださいまして、、、
結果
「思っていたより丈夫な建物です。大丈夫!」
ひと安心です!ありがとうございます!
で、どんな物件なのよ、、とお思いのあなた^^
物件 お披露目します!
2010/01/28
ついに、、、建物にメス入れます。
昭和からの置き土産、、、かなり舞い上がってます。
夜、目がごろごろするので次の日眼科に行くと、なんと結膜炎!?
建物の主に洗礼受けました^^;
2010/02/04
ここは山小屋か?
天井オープンして張替えます。
「このままだと、、、春までかかるよ」友人兄の大工さん。
心配で手伝いにきて下さいました。
見る見るうちに張りあがっていきます!早業!
2010/02/06
実際の建物の壁塗りやってみませんか^^
内装会社の友人に講師をお願いして、漆喰塗りのワークショップを予定しています。
2月7日9時半~
宿はJR日光駅と東武日光駅のちょうど中間にあります。
写真の看板を目印にお越しください。
老若男女^^ご参加お待ちしています。
2010/02/17
栃木県道247号線(日光今市線)。
日光に向かうとき、つい日光街道を走りがちですが、
大谷川の北岸を走るこの道路は、日光連山が一望できます。
アルプス気分♪になれるかも
2010/02/18
材料を運ぶのに、友人のお兄さんから車をお借りしています。
サニートラックロング・通称サニトラ。
70年代の車なのに、とってもキレイに手入れされています。
キーをまわす前にアクセルを数回踏むのが朝の儀式。
一発でエンジンがかかるかは、車のご機嫌次第。
このやりとりが楽しいらしい。
この使い込まれた建物がサニトラのような渋さを出すよう
手をくわえていきますよ。
2010/02/25
かわいがっていたはずのサニトラが…調子が悪い。
そんな時に心強いのがG君。小学校時代からの友人で大工さんの弟。
急遽、用事とからめてきてもらいました。
あっという間にタイヤがはずされ、点検です。
お礼のかわりに、日光連山ベストビューの穴場をお一つ。
眺めはいかが^^
観ましたか!アド街^^。冬の日光特集でしたね。
映像の片隅に宿映るかしら!?
なんて食い入るように観てましたが…かすりもしませんでした~。
「宿、手作り中」とでも看板だしておけばよかったかな^^
着物をレンタルして日光散策や循環バス乗り降り自由パスなど
少しずつ新しい楽しみかたが増えていましたね。
次回のアド街がきてくれるときには、どんな日光になっているのかな。
シルバーのアルミサッシが気になるので…。
色ガラスをいれてみました。
お手製ステンドグラスレシピ スタート!
お好みのステンドグラス用の色ガラスを購入
少量の灯油を入れて使う!?ガラスカッター。摩擦軽減されるらしいです。
採寸して線をつけたところをハンマーで叩きます。
え”っ!?上手くいかない…。
気を取り直し再度挑戦。
寸法あわせ周りに木枠をはさめていきます。
シルバーサッシが隠れるように木枠を打ち付け、
色ガラスをいれる場所の仮止めしたら…
はい!出来上がり^^
レトロ~な感じのお風呂ですが、このままでは誰も入ってくれないよね…
全改装します。
お風呂到着!
中学時代からの野球部仲間、大塚産業のM君に水周りをお願いしています。
1番風呂、どなたが使ってくれるのかしら^^
ペンキ塗り
ここのところ毎日
脱衣室を塗って…
壁塗って…
柱塗ってます。
ペンキ塗りのキレイな仕上がりのコツは、
マスキングです。
必要箇所以外を汚さないようにテープを張ることですが、
これさえピッタリ張って2度塗りすれば、誰でも塗れます^^
最近ではカラフルな色や模様のマスキングテープを使ったかわいいアレンジが人気のようで、
雑貨屋さんに各色並んでいますね。
どうにも好きになれないクッションフロアの床。
よし!板を張るぞ。
友人の紹介で、厚み3センチの無垢のフロアー材が入手出来ました!
素材がいいと気分も上がる♪
ルン♪
寸法あわせはしんどい~。
洗面台と取り付けるまえに、タイル貼ります。
壁に接着剤をつけ、細かいタイルを1つずつ、、、ではなく^^シートになっているので、
あっという間に貼りあがります。
タイル用目地材をタイルの上から塗りこめば、はい出来上がり~♪
トイレのデザインまできましたよ~。
はて、、どんなイメージで作ろうか、、。
お店のトイレって、案外気になる大事なところよね。
なかなか進まないなか、天使!舞い降りました。
kさん。コーディネーターされてた方が手伝いにきてくれました。
「ここ好きな感じにやってみてくれませんか?」
「いいんですか~」
まず下書き。
ある材料を組み合わせて。
貼っていきます。
ジャン♪
テーマ「日光連山」
どこに連山があるでしょうか、、。
ぜひ実物を見に来て下さいね。
彼女は大仕事を終え^^、新天地、カナダへ旅立ちました。
決める事盛りだくさん…ほー。
お店のロゴは…と検索していると、こんなサイトがありました。
http://www.ayataka.jp/kamon/
自分の名前と生年月日を入力すると、オリジナル家紋がデザインできます。
「にっこう げすとはうす」といれたら、ペンギン出てきました^^
書道も出来ます。マウスを使って、筆が動くなんて。
書道ガールズのような躍動感のある書もお手軽です^^。
はい!出来上がり^^
お寺の修行ではありません^^
床を張り終え、オイルを塗ります。
ワトコオイル。
亜麻仁油を主体とした英国生まれの塗料。
仕上がりは、濡れたようなしっとりとした感じで木に馴染みます。
1度塗って20分後、余分なオイルをふき取ります。
軽く2度塗りします。
新しい木材がしっとりとして、古い教室の床のような風合いがでましたよ。
手すり
ちょっとした山登りを思わせる傾斜のある階段。
手すりをつけなければ…。
漆喰教室にご参加頂いた方のご縁で、作家幾何楽堂さんにお願い出来ることに。
仕上がりが楽しみ♪
出来ました!丁寧に取り付けして頂き、
蜜蝋ワックスを塗って、仕上げて下さいました。
木の木目がしっかりでていて、宿の雰囲気をぐっと高まりましたよ。
完成!「魔女の杖」
旅人に、旅の楽しい魔法がかけられますように。
畳
和室2部屋の畳をキレイにします。
日光の畳職人さんにお願いしました。
宿の畳、いまどきの畳と違いかなり厚みがあるんです。
きっと電車にいたら、席を譲ると思うくらい年配の方ですが、
畳をひょいと持ち上げて、急な階段を下ります!
畳を見送り(BGM by ドナドナ♪)
その日の午後、搬入です。仕事も速い!
畳を踏んで、行ったり来たり。高さを調整します。これぞ職人技!
新しいイグサの香り漂う部屋になりました。。
鏡
工事始めた頃の廃材を使って、備品を作ります。
寸法に切った木材を、ヤスリでこすり、ステインで塗って乾くまで別の作業、、、
鏡を中に収めて、壁に取り付け。
既成品をパッと買って、ちゃっとつければものの10分で終わるところ
ほぼ半日がかり。。
物作り、、時間がかかります。
脱衣室
脱衣室に照明をつけます。
シャンデリア風の飾りつくります。
友人にイメージを伝えたら、私の想像を超えたものができました。
ビーズ作りにもレシピがあるらしく、、、数を数えて規則正しく糸に通していきます。
ジャン♪
「日光の微笑み」
何カラットか!?、、。警備員必要かしら^^
実家の皆に協力して頂き、布団や荷物を運びました。
中学生になったばかりのR君、もう大人のようにテキパキ手伝ってくれます。
今日まで片付けから含めたら、約7ヶ月、、、。
家族や周りの皆さんの支えを糧に頑張ってこれました。
内装工事もほぼ終わり、あとは消防、保険所の許可待ちです。
オープンに向けて名前、、、、決まりました!
「日光ゲストハウス 巣み家 -sumica-」
旅人を渡り鳥にたとえ、鳥が巣に帰りまた旅立つような、
人が集う居場所の意味をこめました。
名前難しいものですね。
高校生の頃使った漢語、古語辞書(なぜか新品^^;)をひっぱりだして、
ページをめくってはうたた寝zzz。
そんな中キラッと光る言葉をみつけました。
一樹の陰一河の流れも他生の縁
いちじゅのかげいちがのながれもたしょうのえん
意味
1本の樹木の陰でともに雨宿りし、
一つの河の流れの水をともに飲み合うのも、
みな前世からの因縁によるということから。
OH-!
同じ学校、同じ家、同じ町、、、。すべてご縁があってこそ。
同じ宿で過ごす旅人同士、何かのご縁を楽しみに、
ぜひお立ち寄り下さいね。
今日はいい天気ですよ~。
駅を出て見上げる日光連山の景色の近いこと!
続々と皆さん訪れています。
日光の歴史を紐解くと、、、松尾芭蕉も日光に来ている。
おくのほそ道の1節より
今(いま)此(この)御光(みひかり)一天(いってん)にかゝやきて、
恩沢八荒(おんたくはっこう)にあふれ、
四民安堵(しみんあんど)の栖(すみか)穏(おだやか)なり。
~解説~
日光東照宮に祭られている徳川家康公の威光が広く天下に輝き、
国のすみずみまであふれんばかりの豊かな恩恵が行き届き、
士農工商がすべて安心して、穏やかに住むことができる。
国籍の違った旅人が安心で穏やかな時間が過ごせる家…。
住みか…
棲家…
栖…
鳥のイメージで、、
巣み家、、、決り!